【VOL.1】小西 鉄平
小西 鉄平
(Teppei Konishi)
1977年10月9日生
◆JFA(日本サッカー協会)フットサルテクニカルダイレクター
◆株式会社ボンフィン ゼネラルマネージャー
◆AFC(アジアサッカー連盟)フットサルインストラクター
◆ブラインドサッカー日本代表コーチ
【サッカー歴】
旭高校ーYSCC
【指導歴】
クーバーコーチングサッカースクール
J-フロンテッジフットボールスクール
ミャンマー女子フットサル代表監督
FリーグU-23選抜監督
ブラインドサッカー日本代表コーチ
2000年に東急スポーツシステム株式会社が運営するクーバーコーチングサッカースクールにて子供たちへ指導を開始。スクールマスターやフットサル施設のディレクターを務めた。
2004年、レイエスフットボールスクールの前身であるJ-フロンテッジフットボールスクールの創設メンバーとしてメソッドの構築に携わる。その後、スクールの統括や指導者養成を歴任。
現在は株式会社ボンフィンに籍を置き、ゼネラルマネージャーとジュニアユースの中学1年生チームを担当。
JFAのフットサルテクニカルダイレクターやブラインドサッカーの日本代表コーチとしても活躍中。また、AFCフットサルインストラクターとして指導者養成にも尽力している。
※今回はインタビュー形式で伺った内容を抜粋して掲載しています。
【1】レイエスとスペイン
TSS(東急スポーツシステム株式会社)や、J-フロンテッジ(フットボールスクール)、レイエスで活動していた当時の印象、仕事内容、エピソードを教えてください。
当時は、TSSがクーバーコーチングという世界的なメソッドを題材にしたスクールから独立を図るという時期で、スペインサッカー協会公認の、いわゆる世界初のサッカースクールを展開しましょうという、TSS(東急スポーツシステム株式会社)としても本当に大きな変革期だったと思います。
そのメソッドを構築するために4回僕はスペインに行かせていただきました。みんなで色々ある中でそういうものを1つの題材にして、当時いたスタッフ全員であらゆる物に対してああでもないこうでもないみたいな話をして、週に1回ぐらいですかね、こういうことやらなきゃいけないとか、こういうことを指導の中に入れましょうとかっていう話をしていたのは印象深いです。そういうところでJ-フロンテッジができて、スペインサッカー協会公認のスクールとしてスタートしたっていうのは、そこに自分が中心的に関わったというのは非常に今でも大きな財産ですし、すごく自分にとってもいいタイミングでTSSに居ることができたなと思いますし、本当に良い時期を経験できたなと思います。これは自分の中で1番大きく残っているエピソードです。
スペインからの影響は大きいですか?
とても大きいと思いますね。すごくスペインは考え方がものすごく整理されています。文化とか向こうの国民性もあるんだろうけど物事を定義したがると感じています。これっていうのはこういうものでしょうという定義がすごくあるので、だからこそ議論し合うし、違う意見も出やすい。そういうものが多いという記憶があります。
※J-フロンテッジ時代
【2】客観的にみたレイエス
TSS(東急スポーツシステム株式会社)を離れてみてクラブや会社の見方が変わった部分や、魅力的な部分と感じた部分があれば教えていただけますか?
先ず、会社全体について言えば、やっぱりしっかりとした会社だったっていうのは感じます。 雇用形態もそうですし、勤務の形態もそうですし、組織化されている。外から見ると、よりしっかりした良い会社だったなというのは思います。
レイエスに関して言うと、僕が離れた時からすでにすごい強かった。神奈川でもすごく強かったと思うし、それ以上にすごく良いコーチが揃っていたと思います。実際離れてみて、いろんな現場でいろんなコーチと出会って仕事をしていると、改めて思いますがやっぱりレイエスにいる指導者というのは本当に情熱もあるし、指導のスキルも高いし、そういう意味では今外から見ているレイエスというのは非常に魅力的ですよね。その背景にあるのは、もしかしたら会社員としてやりながら、いかにプロフェッショナルとしてサッカーに携わるかっていう結構永遠のテーマに常に向き合っている集団だからだと思います。且つピッチもフットサルコートとかサッカーコートというのを使い分けながらやっているっていうこともあるから、一筋縄では行かない環境に身を置いていると思うんです。そういう中で工夫とか、日々の懸念するポイントの量が全然違うのだと思います。だからそういうふうに良いコーチとか、良い選手が生み出されるんじゃないかなっていうのは外から見ていて思っています。
レイエスは、東急スポーツシステムという会社の中でやれているクラブチームであり、且つトップチームもあって、ユースもあって、フットサルもあって、いわゆるクラブとして必要なもの、自分たちがこういう世界をつくりたいと思っている理想に対して必要なリソースっていうのを持っているし、つくり続けているパイオニア的な発想とか位置付けというのは、さっき言ったその中身の指導者が良いとか、会社員とプロフェッショナルとの間で戦い続けるとかっていうソフト的な面だけではなくて、ハード的なところもつくっていこうとしている精神とか気概というのは他のクラブには見られないことかなと思います。そういう夢物語を語ることは多分いろんなクラブや色んな人ができるのだけれど、それを実際に形としてつくり出すということは大きなことだと思います。それを名門クラブがやるっていうのはとても意義があるんじゃないかなって外からみると思います。
※スクールでの1コマ
【3】今後のレイエスへ
今後、レイエスに期待することや、こういうところに力を入れたら良いのではないかという部分はございますか?
レイエスはすごく街クラブとしての理想な形を持っていると思います。安定した企業としてやっている。且つフットサルもサッカーもそれぞれのカテゴリーを持っている。歴史がある。地域に密着できている。指導者の雇用もできている。街クラブとしてやれることをほぼ完璧なまでに網羅しながらやっているんじゃないかなという気がします。中にいれば悩みや難しいポイントがあるのは容易に想像できますが、外から見るとやっぱりそういういいイメージというのはレイエスにあるし、全国いろんなところに行っても神奈川でレイエスって言うとやっぱりみんな知っています。
レイエスがつくろうとしている世界観という部分の、今はいわゆるステップ1、ステップ2くらいだと思っています。僕が期待する事としてはやっぱり僕もいた中でその礎を築かせてもらった中で、新しいビジョン、新しい夢っていうのができて、今レイエスとしてステップアップしている途中だと思うので、ブレずにその目指している目標に向かって着実に確実に進んでいってほしいなあっていうのは、本当に正直な気持ちです。
やっぱりレイエスはそういうチームであってパイオニア的な存在であってほしいし、そういうものをしっかりとやって行ってもらいたいっていうのは大きなところだと思います。 なので、プラスアルファ何か期待しようというのはないですが、そういう夢に向かって行くことをやり続けてほしいなあと思います。
※ロサーノ元スペインフットサル代表監督と
【+α】育成について
サッカーの「育成」に対して注力しているポイントはありますか?
フットサルで学んだことサッカーに活かしたいと思っているのですが、育成のところで強く今ボンフィンでも訴えかけているのは、みんながよく言うように、具体的に大人になった時に自分たちが損をしないように、しっかりとした常識というのは育成年代はより強く求められるのではないかなと。シンプルに挨拶をすることとか、時間を守るとか、自分でできることは自分でやろうとするとか、他人のことを気にできるとか、そういう部分はきっとすべてサッカーに繋がっている大事なポイントだと思っているので、今後もその部分は注力していきたいと思います。逆にオンザピッチに関しては、自分の大きなテーマでもあるんですけど、やっぱり認知力とか決断力とか、表に出てくる技術力というよりは状況を把握する力とかを意識しています。状況を把握するために何を知らなくてはいけないかという選択的な注意とかそういうものをより整理してあげることで いわゆる育成なので、ベースを培う必要があるので、そういうところにフォーカスを当てた指導、育成というのをやっていきたいと思っていますね。そのためにもフットサルで培ってきた考え方とか発想というのは、今後大きくそういうポイントに寄与できるんじゃないかなと思っています。
わかりました。ありがとうございます。では最後に、お知らせはありますか?インタビューのお礼と言ってはなんですが。笑
全然そういう見返り的なのは求めてはいないです。笑
全体で見ると、僕は今もフットサルのテクニカルダイレクターをやっているので、フットサルの普及とかフットボールに対してフットサルはどうやって貢献するかってことを考えているので、お知らせではないのですがお伝えさせてもらうとすると、是非、指導者自体が広い視点で自分の指導を捉えてほしいなあと思っています。
サッカーの指導者だからといってサッカーだけを勉強するんじゃなくて、フットサルも勉強してほしいですし、他のスポーツ、バスケットとかアメリカンフットボールとかハンドボールも、また障害者サッカーとか触れてほしいですし、よく言われるような多様性とかボーダーレスとか、そういう価値観というのが今後の指導者にとっては大事になると思うので、お知らせというか是非そういう発想を持ってみんなで取り組んで行きませんかっていうことをお伝えさせていただければと思います。そういう感じで良いでしょうか。笑