東急SレイエスFC

R-epresent History

~レイエスの過去、現在、未来を~

【VOL.8】在原 正明

 

 在原 正明

(Masaaki Arihara)

 

1981年12月12日生

 

◆ヴィッセル神戸

  ◇トップチームスペイン語通訳、アカデミー最適化グループ

 

【指導歴】

バルドラール浦安 コーチ

フットサル日本代表 コーチ

J-フロンテッジフットボールスクール

フットサル日本女子代表 監督

JFAフットサルインストラクター

 

 2009年シーズンをフットサルリーグ(Fリーグ)のバルドラール浦安でコーチとして指導。

 

 2010年に東急スポーツシステム株式会社(TSS)に入社し、本社運営推進部に所属して、J-フロンテッジフットボールスクールのコーチ養成を担当しインストラクターとして社内スタッフの育成や、スクールプログラム管理を担当しスクールカリキュラムの監修に尽力。

 

 さらに、フットサルに特化したクラスであるフットサルクラスのメインコーチとして子供たちに直接指導を行い普及と育成に貢献。独自の論理的な視点を織り交ぜフットサルの魅力や要素をスクール全体へ波及する原動力となった。

 

 また、スクール事業と並行しTSSからJFAに出向する形でフットサル日本代表コーチ(2009-2012)や、フットサル日本女子代表監督(2010-2015)を歴任。2008-2018年の期間はJFAフットサルインストラクターとして日本各地から集う指導者達の養成にも尽力。

 

 2019年シーズンよりスペイン語通訳としてJ1のヴィッセル神戸に加入。トップチームでの活動とアカデミー最適化グループとして育成にも携わり活躍中。

 

【1】TSS在籍時のレイエスについて

TSS(東急スポーツシステム株式会社)で勤務されていた時のクラブの見え方や感じていたこと、印象的な出来事などがありましたら教えていただけますか?

 

 私は東急スポーツシステム社在籍時にはレイエス(チーム)に直接的に関わる機会は非常に限られていましたが、レイエスで指導に当たっていた多くのコーチがJ-フロンテッジフットボールスクールでも同様にコーチとして活動していたため、特に社内でのコーチ養成の機会などを通じて、彼らのフットボールに対する真摯な姿勢、所属するスクール生やレイエスの選手たち、クラブに対する愛情や情熱を感じる日々を過ごしていました。

 

 また、現在のレイエスはフットサル部門も立ち上げられ、着実にカテゴリーを増やしていますが、私が在籍当時はスクールのフットサルクラスとしての活動があったのみでした。当時はフットサルの育成年代の環境は現在と比べても非常に限られた状況であったものの、フットサルをプレーする楽しさやサッカーへとつながるスキル向上といった面への理解が一般化し、世間の興味が広がりつつあった時代だったため、神奈川県リーグやバーモントカップ予選などに参加するチーム活動を通じてたくさんのスクール生やその保護者の皆様から、中学生年代でフットサルを専門的にプレーする環境を作ってほしいなどといった要望を多く受けていました。

 

 たくさんの日本代表選手やFリーガー達がゲストで参加してくれたフットサルキャンプや横浜国際プールで行われていたJ-フロフィエスタなどにも溢れんばかりの子ども達が参加してくれていましたね。そういったイベントの企画力、集客力、またそのイベント自体のクオリティを形成する組織力こそが強みであると感じていました。

 

フットサルクラスでの1コマ

【2】客観的にみたレイエス

TSS(東急スポーツシステム株式会社)を離れてみてクラブや会社の見方が変わった部分や、魅力的に感じた部分があれば教えていただけますか?

 

 私の現在の活動地域は関東から遠く離れた関西のJクラブではありますが、そういったクラブのスタッフ達の中でも、全国のスカウト担当者や関東で指導歴のあるコーチングスタッフなどはレイエスの存在を確かに認識しており、街クラブの中でもピッチ内の取り組みに対してはもちろんのこと、会社組織として確かな経営が行われていることなどに対する彼らからのリスペクトを感じる機会があります。

 

 私が日々協働しているヴィッセル神戸のアカデミースタッフたちは当然のことながら指導力や人間性に優れている人材が多く、プロフェッショナルな世界であることを強く感じる日々を過ごしていますが、在籍当時を思い返してみれば、レイエスの指導者達も間違いなくJクラブのアカデミーのそれに非常に近いレベルまたは同等のクオリティを有した人材が集まる集団であったと感じています。そういったポテンシャルを有する街クラブの存在は我々Jクラブにとって刺激であり、脅威であり、だからこそより良くあろうとするためのポジティブな動機づけとなっています。

 

レイエスクラス スペイン遠征 勉強会

【3】今後のレイエスへ

今後、レイエスに期待することや、こういうところに力を入れたら良いのではないかという部分はございますか?

 

 このようにフットサル場でのスクール経営や育成年代のプレー環境の整備に貢献し、現在ではサッカー、フットサルの両カテゴリーでユースや成人チームまでを繋げていく壮大なチャレンジを続け、それを着実に実現していく実行力こそがTSSおよびレイエスという組織の卓越した部分なのだと感じています。まだまだ多くのチャレンジが残されている現在かとは思いますが、サッカーとフットサルという両輪が育成年代からトップまで繋がるハイブリッドなフットボールクラブは日本では非常に稀な、しかし理想の一つの形である姿だと私は信じていますので、是非とも実現に向けて今後もその愛情と情熱、そして経営のプロ集団として突き進んでいってくれることを期待しています。

 

 力を入れてほしいこと、、、すでに外部にいる人間なのであえて勝手に期待することを言わせてもらえるならば、①サッカーのトレーニングを行うのに十分な広さのグラウンドや、より専門的な環境でフットサルへ取り組むことを可能とするアリーナの確保、②以前から行われていたような指導者講習会や社内研修の公開講座などといった地域の少年団やクラブなどとのテクニカルな交流かつその相乗効果を期待できるクラブとしての取り組み、③世界は日々グローバルになり続けているのでコーチたちも英語やスペイン語などといった語学力を磨き、世界へと繋がり、また外の世界へ飛び出していくことで多様な価値観に触れ、そこで得られるより幅と深みのある経験をフットボールを通じて多くの子どもたちへ還元できるような開放的かつ循環的な取り組みなどを期待しています。

 

スタッフ研修の合間に

【4】メッセージ

読者の方々へメッセージをお願いいたします。

 
 この度、日本サッカー協会100周年表彰にて特別功労表彰を頂きました。今回このような栄誉にあずかることができたのは、TSS在籍時にフットサル日本代表の合宿や海外遠征、JFAフットサルライセンス講習会へのインストラクター派遣など各種活動へ快く送り出してくださったTSSおよびレイエス、当時担当していたクラスの会員および保護者の皆様のご理解とご協力あってのことと思います。この場を借りて御礼申し上げます。

 

 ~編集後記~

スタッフのひとりごと

 

 豊富な知識や論理的な分析力で物事を伝える様子は「大先生」や「教授」の愛称が良く似合うスマートな佇まいで教鞭を執り、一方でスタッフと気さくに話したり時にはいじられたり(笑)、また一方で子ども達への指導は熱く、またおおらかに接するシーンもあり、多彩な姿が印象的です。

 

 日本代表での活動を進めながら社内での取り組みも真摯に向き合い、フットサルがもたらす成長への可能性を伝えてくれました。J1の舞台へ躍進したように今後も更なる活躍を楽しみにしています!

 

 在原さん、今回は誠にありがとうございました!

 

 在原さんが、活躍中のヴィッセル神戸の情報はこちらから