東急SレイエスFC

R-epresent History

~レイエスの過去、現在、未来を~

【VOL.5】伊藤 祐介

 

 伊藤 祐介

(Yusuke Ito)

 

1984年5月19日生

 

◆前橋FC U-13監督

 

【サッカー歴】

玉川大学

 

【指導歴】

筑波大学蹴球部

東急SレイエスFC

J-フロンテッジフットボールスクール

前橋FC

 

 2007年から筑波大学蹴球部での指導を経て、2010年シーズンより東急SレイエスFC U-13監督、J-フロンテッジフットボールスクールコーチングスタッフとして東急スポーツシステム株式会社での指導がスタート。

 

 2011年シーズンにはU-13関東リーグに初参戦。東日本大震災の影響でイレギュラーなシーズンとなり、その年の2部は3グループ(8・8・7チーム)存在し、各グループの下位5チームが降格するという過酷なレギュレーションの中、初参戦にしてチームのリーグ残留に貢献した。

 

 2015年シーズンはレイエスFC U-15監督としてレイエス史上初となるU-15関東リーグを戦い、その年の日本クラブユース選手権関東大会では準優勝を果たし、クラブのジュニアユース史上初の全国大会出場に導いた。

 

 2017年シーズンにもU-15監督を務め、進路先をJクラブユースチームとする選手を6名輩出するなど育成を牽引。

 

 2018年シーズンからは強豪クラブの前橋FCへ籍を移し、現在はU-13監督として指導している

 

【1】TSS在籍時のレイエスについて

TSS(東急スポーツシステム株式会社)で勤務されていた時のクラブの見え方や感じていたこと、印象的な出来事などがありましたら教えていただけますか?

 

 私は2010年度からレイエスの指導者として携わらせていただき、その後8シーズンを過ごさせて貰いました。現在はかねてからレイエスと交流のある群馬県の前橋FCで主にU-13の担当として指導にあたっています。

 

 私が携わり始めた頃のレイエスはそれまでクラブに在籍した方々のご尽力により、県の強豪街クラブとして周囲から認識されていたと思います。そのようなクラブに、初年度から幸いにも担当を持たせていただきましたが、いきなり来た人間が担当を持つなんて、今では考えられないだろうなと想像すると、大変ありがたいことだと感謝しております。

 

 私の知る限りこのクラブは「情熱」を根源に発展したクラブだと思います。個性の強い野心に満ちたスタッフの熱量とそれに呼応した選手たちの力でクラブのステージは上がっていったと思っています。そして私が関わり始めた後からクラブは少しずつ次のフェーズへ移行している段階だったのだろうと思います。それは経験をクラブの血肉・メモリーにしていくということでした。しばらくの年月、クラブは思うような結果を出せずに幾度となく関東の壁に打ち砕かれてきましたが、その度にスタッフで議論を重ね、悩み、ひとつずつサッカーを紐解いていく日々を重ねました。穏やかな雰囲気でないこともありましたが、しかしクラブのメモリーは確実に積み重なっていった実感がありました。そうしてクラブは蓄えたメモリーに持ち前の情熱を発揮することで、今まで突破することの出来なかった壁を乗り越え新しい景色に出会うという一つの成功体験を得ることが出来たと思います。その先でまた新たな壁に打ち砕かれることにもなりますが(笑)、これは挑戦をし続けるクラブの宿命と言うことで。正直に言うと私自身はレイエスでの日々を振り返ると、己の無力さに苛まれる記憶の方が多いです。優秀で偉大な先輩たちが多くて、本当に足りないと思わされる日々でしたが、おかげで指導者としての理論・在り方を学ぶことが出来たと思っています。

 

 印象的な出来事を選ぶというのはとても難しいです。それくらい多くの経験を与えて貰いました。クラブが成し遂げた瞬間というのは当然印象的ですし、反対に失った時も印象に残っていますし、全てを話すと長くなりすぎてしまいます(笑)。強いて挙げるとすれば、レイエスでの1年目、知る人ぞ知る「俺たちの保木公園」でU-13県リーグ優勝決定戦に勝利して、関東リーグU-13(当時のJ-リーグU-13メトロポリタンリーグ)に昇格したことでしょうか。情熱だけで戦っていた頃の極致でしたが、心の奥底から湧き出るその感情は、指導者として忘れてはいけない根源として記憶に残っております。

 

 本当にあらゆる印象的な経験をさせて貰いましたので、また機会をいただけたらいくらでも話したいと思います(笑)。

 

2015年 全国大会初出場

【2】客観的にみたレイエス

TSS(東急スポーツシステム株式会社)を離れてみてクラブや会社の見方が変わった部分や、魅力的に感じた部分があれば教えていただけますか?

 

 私がクラブを離れた1年後くらいでしょうか。それまでチームはジュニアユースのみだったところから、ユース・トップ・フットサルチームが立ち上がり、スクールもJ-フロンテッジからレイエスフットボールスクールへと移行し、大きく体制が変わりました。

 

 更に元号も平成から令和に変わり、クラブのエンブレムも変化し、左を向いていたライオンが右向きになり、クラブを離れて4年弱ですが、一気に自分にいた頃のレイエスが遠い過去の出来事のように感じることとなりました(笑)。

 

 会社を離れてみて感じることの一つに、現実的な話となりますが「雇用の在り方」について思うことがあります。クラブのビジョンの1つに「育成に定評のあるクラブで在り続ける」とあると思いますが、これはクラブのメソッドや哲学の整備だけに留まらず、指導者の雇用の安定化・充実という面から来る質の高い指導者の確保・育成という観点も重要なのだろうと感じます。見返りなく夢と情熱をもって指導者を志す在り方もある面で理解できますし、私よりも上の世代の人たちにとってそれが常識だったと思いますが、その熱意を犠牲にすることのない仕組みも今の時代は大切だと思います。様々な課題はあると想像しますが、企業という母体があるからこそ提供できる仕組みは強みですし、レイエスの環境ならそれを成し得る力を十分に備えていると感じています。

 

 レイエスについては年々進化を試みる組織ですから、これからもそう在り続ける姿に負けないよう私も頑張ります。クラブを離れてレイエスを背負っているのは選手たちだけではないということですね。たまにクラブスタッフから話を聞くことが出来る時には刺激をいただけますし、これからもレイエスをきっかけに繋がった縁を大切にしていきたいと思います。

 

スタッフたちと

【3】今後のレイエスへ

今後、レイエスに期待することや、こういうところに力を入れたら良いのではないかという部分はございますか?

 

 今のレイエスはより洗練された位置にいるクラブですので、今後のレイエスの発展に繋がるようなアドバイスは私から出る由もありません。

 

 期待することとしては…自前のサッカーグラウンドをそろそろ本気で作ってみてはいかがでしょうか、ということですかね(笑)。あとはプロサッカー選手がいかに増えていくか、ですね。これはまだ自分にも責任が残っていると思っています。

  

 またクラブの皆さんと交流できる日を楽しみにしています!

 

 今回はこのような機会をくださりありがとうございました。

 

2017年度 卒団生と

 ~編集後記~

スタッフのひとりごと

 
 レイエスFCジュニアユースの躍進の中心を支えてきた裏側に、選手たちのプレーはもちろん心理的な変化を捉えてアプローチしている姿がとても印象的でした。

 

 詳細な分析的視点を持ち、それらを整理して選手たちへ伝えるサイクルが個人やチームの成長につながっていきました。

 

 初の全国大会出場を決めた歓喜の瞬間がおさめられたこの一枚はクラブに語り継がれることでしょう。


  

 

 伊藤さん、今回は誠にありがとうございました!

 

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 現在は群馬の強豪、前橋FCで指導をされています。

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